わが国の経済は過去において幾たびかの困難に出会いました が、無事これを克服し、著しい成長を遂げて参りました。 しかしながら、これからの時代は今迄とは異つた起伏をたどり、 国際間の競争もますます厳しさを増すものと予測されています。 今日までのわが国の経済発展を支えてまいりました企業、なか んずく中小企業にとりまして、新たな試練の時代をむかえたわ けであります。そして今こそ、そうした新時代の傾向をじかに 見つめ、確かな将来軌道を固めるため、経営方針の再検討や優 れた技術の開発の取り入れなどを推し進めなければならないと 存じます。
すなわち、高付加価値を生む技術や独創的な製品開発技術な どを始めとする技術力の優劣は、これからの工業の存立を左右 し、企業の将来を決定づけつものと信ずる次第であります。
名古屋市工業研究所(以下「工業研究所」と称す。)では従 来からの新技術の開発を始めとして、技術指導・相談・技術者 の養成・技術情報の提供や試験・分析等の各種の事業を実施し てまいつておりますが、時代の要請にかなつた企業を着実に育成していくためには、工業研究所と名古屋地方の企業とを結び 強力な指導・相談・試験・分析・情報および研修等の各種事業 を行つて企業側の志向に対応し、その実態に即応した実践的な 活動機関の設置が必要とされてきます。
このような見地から、新技術の普及・促進や工業技術者の養 成を始めとして、 企業が真に必要とする技術上の諸問題の解決や、その他の諸事 業を広汎に遂行し、本市産業の振興を図る目的をもつて、名古 屋市と民間企業の出捐により、民法第34条の規定に基づく公 益法人を設立しようとするものであります。
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